債務整理とは?
債務整理とは、借金(債務)を整理し、
主に経済的な面での生活を立て直す方法です。
生活苦や子供の養育のため又は事業の失敗など、借金を作ってしまう原因は、それぞれの理由があろうかと思います。
しかし、一度多くの借金を作ってしまうと、完済することは難しく、なんとか返済しようと、新たに借り入れをしてしまうことは少なくありません。
しかし、返済のために新たに借り入れを行ったとしても、借金の状態が好転することはありません。また借金だけ整理しても、借金を作ってしまった原因を見直さないと、借金問題から脱却することは困難です。
債務整理とは、破産や民事再生、任意整理など、それぞれの事情にあった最善の方法を選択し、経済的な生活を立て直すとともに、借金を作ってしまった原因を探り、2度と借金をしない生活を築いていく手続きです。
破産
返済しきれない借金。新たな生活を送るためには?
- 「返済のために新たに借り入れたが、借金は増えていくばかりだ。」
- 「リストラや給与の減少のため、今まで払えていた借金がどうしても払えなくなった。」
こうしたときに検討すべき債務整理の方法は、破産です。
破産は、借金を踏み倒すというようなイメージを持たれている方も多いと思いますが、決してそのような手続きではないと考えています。
返済しきれないほどの借金を抱えてしまった場合、生活は大変苦しいものです。
勿論、自身の経済状態に見合わない無計画なクレジットやキャッシングの利用をしてしまった場合、反省しなければならない点もあろうかと思います。
しかし、返しきれないほどの借金を背負ってしまった場合、もう一度経済的に生活をやり直すためには、借金を清算する必要があります。
このように、破産とは、借金のすべてを清算し、借金のない新たな生活を送るための経済的な再生の手続きです。
民事再生
破産を避け、借金を大幅に圧縮。
- 「住宅ローンがまだ残っているが、住宅ローン以外の借金を整理したい。」
- 「職業の関係から、破産することはどうしても避けたい。」
こうしたときに検討すべき債務整理の方法は、民事再生です。
民事再生とは、借金を大幅に圧縮し、原則として3年間で債務を返済していく方法です。
民事再生とは、原則として、
①100万円以上
②借金の5分の1以上
③自身の財産以上
①~③の価格で一番高い金額を返済することになります。
仮に500万円借金があった場合で、自身の財産の価格が100万円を下回る場合、100万円を原則として3年間で返済することになりますから、月々約2万8、000円程度の支払いとなります(住宅ローン除く)。
月々返済をすることになりますので、毎月必ず支払える計画が重要となります。
また、債務整理の目的は、借金を2度と作らない生活を築くことですので、月々の支払いがある中で、ある程度家計に余裕が出来るかどうか見極めることも重要です。
任意整理
- 多すぎる月々の返済…返済額を見直したい!
- 「月々の返済が多く、返済額を見直す必要がある。」
こうしたときに検討すべき債務整理の方法は、任意整理です。
任意整理とは、各社と返済方法について協議し、借金を分割で支払っていく手続きです。
月の収支を計算し、各社に対して払える額を交渉します。交渉がまとまった場合、返済が始まります。
民事再生と同様、基本的に各社に対して分割で支払っていく手続きなので、毎月必ず支払える返済計画を立てることが重要です。
過払金返還請求
払い過ぎた利息は、取り戻しましょう。
○例えば
- 「過去、消費者金融と取引があったが、現在は完済している。」
- 「消費者金融と現在も取引があるが、長期間取引をしている。」
こうしたときに検討すべき方法は、過払金返還請求です。
消費者金融は、過去、利息制限法を超える高い利率で金銭を貸し付けていました。しかし、その利率の契約は無効であり、法所定の利率で計算すると、払い過ぎた利息が取り戻せる場合があります。
その払い過ぎた利息の返還を求めることが過払金返還請求です。
過払金を請求し、取り戻せた場合、その過払金で他の借金の支払いをすることも出来ます。
※認定司法書士は、債権者1名につき140万円以内の債務につき、法的な相談に応じたり、債権者と交渉し、または簡易裁判所で代理人となることができます。